清掃工場だより10月号
皆さんも当然ご存じのことと思いますが、フランス・パリでは、オリンピック・パラリンピックが開催され、大変盛り上がりを見せました。日本人選手団も素晴らしい活躍で、たくさんの国民に勇気と感動を与えてくれたことと思います。かくいう私も、テレビ越しではございますが、世界の一流選手相手に果敢に戦うその姿に、心を打たれました。
そこで、夏季休暇を利用して訪れたオリンピック・パラリンピックの開催地であるフランスのごみ事情を調べてみることにしました。
まず、ごみの種類です。フランスの家庭系のごみの種類は、おおまかに、①ガラス②包装プラスチック・紙・缶③食品残飯④リサイクル不可能の4種類に分類されています。燃える、燃えない、粗大、資源ごみに分けている日本と比べるとだいぶ異なっています。捨て方も意外とさらっとしていて、例えば、プラスチックと紙と缶は一緒に廃棄可能になっていますし(これは、ごみ焼却の手前で人が選別するので分別する必要がないためのようです。)、包装プラスチックは、日本では汚れがないように洗ったりしますが、それも特に行っていないようです。慣れていないと間違えそうです・・・。
一方で、リサイクルについてはどうでしょう?
総務省統計局の統計によると、日本のリサイクル率は、2022年現在で19.4%、フランスは、25.2%と、若干、フランスの方が割合は多いですが、どちらも、他国のリサイクル先進国に比べるとまだまだ低いように思えます。実際、フランスでは、資源化が進んでいない点が指摘されており、ガラスビンの回収等で、リサイクル率を上げる工夫を行うにとどまっています。(ただし、街中を見ると、観光客が多いパリ等では、びん回収ボックスを置いていても、使用されないケースも多く、そのほかのごみと同様に路上に廃棄されているごみが多い印象があります。)
対策として日本と同様、フランスでも学校などで、リサイクル講座やワークショップ、コンポストの作り方などを実施し、啓発活動に取り組んでいます。また、修理によって製品の長寿命化を図ったり、金属や繊維の回収なども進めている状況のようです。
物価高が叫ばれている昨今、日本も、フランス同様に、できるだけ、リサイクルに向けた動きを行っていく必要があるのかもしれません。