清掃工場だより3月号
「ごみ」は漢字でどう書くかご存じですか?私たちは普段、ごみのことを可燃ごみ等と表記していて、ごみはひらがなで書いています。
調べてみたら「塵(ちり)」や「芥(あくた)」といった漢字が見つかりました。塵は細かい「ちり」や「ほこり」、芥には腐ったものなどの意味があり、それらをくっつけて「塵芥(じんかい)」となります。塵芥処理施設などの使われ方をします。和製漢字の中には、土へんに花を付けた「埖(ごみ)」という文字があります。青森県には埖渡(ごみわたり)というの地名があります。土埃が舞う様を花に例えたものであるとか、ごみが土に還って花を咲かせる等、いろいろな情報がありますが、地名に使われている以上、廃棄物の意味ではないと思います。結局、一文字でごみを表す漢字は見つからず、今後もひらがなやカタカナでお伝えすることになります。
他に「護美箱(ごみばこ)」という当て字があって、美を護る箱という洒落を効かしたものもあり、日本人はこうした遊び心を取り入れた使い方を昔からしているようです。
ところで、なぜ「ごみ」というのでしょうか。きっと大昔、誰かが不要なものに対して「コレ、ごみネ」と言い出したのが始まりだと思うのですが、これも少し調べてみました。
数百年も前の話になりますが、地方の農家の間で木の葉のことを「ご」とか「ごみ」とか呼んでいて、鎌倉時代の平家物語のなかにも「ごみ」の意味でのごみという記載が登場しています。
はるか昔、降り積もった木の葉を片付けたくて、「ソレ、片付けとけ」「なにをだ?」「その葉っぱがいっぱい落ちて、んごーっとしとるじゃろが」「ああ、んごーっとな」、そしてみんなで掃除する際に「コノ、んご~」を「み、み、みんなでやるべ~」ということになり、これを繰り返す内、みんなで片付ける木の葉などの不要なものを「んご・み~」から「ご・み」に進化を遂げたのではないでしょうか。そんな出自から、漢字にならないまま「ごみ」が拡がったのではないかと、、、
最後までお読みいただいた方にはこんな落ちでお叱りを受けるかも知れませんが、言葉のルーツ、文字の根源を探してくと、世の中には面白いものがたくさんありますというお話しでした。